募集馬の馬体診断始めます!
今回から、21年産募集馬の馬体診断を開始します!
第1号は「ステラリード2021(広尾サラブレッド俱楽部)」です。
診断の根拠は馬体診断講座を参照ください。
ステラリード2021
今回の診断で参考にした馬体写真はこちら。
以下の項目を診断し、総合評価をつけています。
馬体診断総評
まずは、ステラリード2021の馬体診断総評です。
馬場適性:不問
距離適性:中~長距離
能力:優秀
注意点:馬体増による足元への負担
馬体診断総評の根拠
馬場適性を示唆する特徴はなく、不問としました。
距離適性については長短混在の馬体特徴となりましたが、現状では強く示唆するものでは無く、大きな影響はなさそうです。
しかし、トモ高の馬体から体高が大きく伸びると推察できます。
胴の伸びが出なかった場合は、高重心の馬体となり長距離偏重となる可能性があります。
能力面の診断については、特に胸の広さが秀逸で強い心肺機能を有していると推察できます。
その他、能力を否定する特徴はなく、優秀な能力を備えた馬体だと判断しました。
懸念点としては、わずかに見られる弓脚の傾向です。
レース馬体重が500kg近いような体に成長するようだと、手根骨や屈腱に余計な負荷がかかるおそれがあります。
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各診断項目の詳細
ここからは、「ステラリード2021」の各項目の診断結果を見ていきます。
馬場適性
最初に『繋ぎの角度』から、「ステラリード2021」の馬場適性を診断していきます。
同時に、『繋ぎの角度』による故障リスクもチェックします。
繋ぎの角度
繋ぎの角度は51度で、一般的な角度の繋ぎです。
45~55度が適正角度と言われており、ちょうど真ん中辺りの数値となりました。
繋ぎの角度からの推察では、馬場適性は不問です。
適正角度内で、繋ぎの角度が原因による故障のリスクは小さいでしょう。
距離適性
続いて、以下の4項目から「ステラリード2021」の距離適性を診断していきます。
同時に、『尻の形』『首の太さ』によるリスク診断も行っています。
肩の角度
肩の角度は地面に対して『52度』でした。
やや立ち気味ですが、ほぼ中央値ですので距離適性に大きな影響はないでしょう。
他部位との組み合わせでは、短距離に振れる可能性があります。
尻の形
綺麗な丸みを帯びた『正尻』です。
距離適性の長短に影響はなく、どのような馬場でも力を発揮できる特徴です。
馬体の影響による脚質の得手不得手はなさそうです。
重心の高低
やや体高の方が長く、わずかに重心が高い馬体バランスです。
現状では誤差の範囲ですが、今後の成長でキ甲が抜けてくることを考えると、さらに高重心となって長距離適性に振れる可能性があります。
首の太さ・長さ
長さは平均的で、かなり太い首をしています。
やや短距離向きの特徴です。
他部位の影響で中・長距離適性になった場合は、太い首が効率の良い動きを阻害する可能性があります。
馬の能力
続いて、以下の4項目から「ステラリード2021」の能力を診断していきます。
同時に、『管の長さ』『背の長さ』によるリスク診断も行っています。
胸の広さ
45度が及第点に対して、胸の広さは51.2度となりました。
心肺機能はかなり優秀であることが予想されます。
前腕と管の比
前肢のうち前腕が占める割合が大きいので、前肢に豊富な筋肉を有していることが分かります。
前肢をしっかりと引き上げて遠くに着地させることができ、後肢からの推進を効率よく進行方向に伝えることができると予想できます。
管は長すぎることなく、過度な負荷が掛かる構造ではありません。
長躯短背
背中のラインは短く、後肢からの推進をスムーズに上半身に伝えることができそうです。
対して、腹のラインはゆったりと長く、身体を大きく使った伸びのある走りに期待できます。
両者の長さを比較してみると、典型的な長躯短背の馬体であることが分かります。
後肢の大きさ
体躯に対しての後肢の割合が33.5%で、三分の一以上を後肢が占めており、十分に大きなトモを有していることが分かります。
推進力のある走りに期待できます。
抱えるリスク
続いて、以下の2項目から「ステラリード2021」の馬体が抱えるリスクを診断していきます。
肢部白斑
左前後肢に肢部白斑が見られます。
肢部の白斑部分は非常に皮膚が弱いため、”繋ぎ裏の皮膚炎”に悩まされるリスクがあります。
同じく左前後肢の蹄は一部白く、黒蹄と比較すると角質の弱さに悩まされる可能性があります。
この部分のみで出資を嫌うほどのリスクではありませんが、同程度の条件の馬と悩んだ場合は、他方を優先して良いと思います。
不正肢勢
前腕と管の接続に若干のズレがあり、弓脚の傾向があります。
程度はかなり小さいため、他部位の美点を優先して良いと思いますが、馬体が大きくなる場合はリスクも大きくなる可能性があります。
リスクを可能な限り避けたいと考える方にはオススメできません。
適性の一致
ここまでの馬体診断から推察した「ステラリード2021」の適性をまとめます。
馬場適性を示唆する特徴はなく、馬体写真からは適正を判断することができません。
距離適性については、長短混在の馬体特徴です。
距離適性において適性の不一致がありますが、いずれも小さく示唆するものですので、大きな影響はないでしょう。
成長とともに胴が伸びるようであれば、全く問題ありません。
まとめ
『ステラリード2021』の馬体診断は、以上で終わりとなります。
馬体診断について詳しく知りたい方はこちらから馬体診断講座を読んでみてください。
改めて、『ステラリード2021』の総評は以下の通りです。
馬場適性:不問
距離適性:中~長距離
能力:優秀
注意点:馬体増による足元への負担
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