『繋ぎの角度と柔軟性』から馬場適性を探る【一口馬主】馬体診断講座②

【一口馬主クラブPOG】馬体診断講座② ~『繋ぎの角度と柔軟性』から馬場適性を探る~アイキャッチ 一口馬主クラブ
この記事は約6分で読めます。

 

おウマ
おウマ

こんにちは、おウマです。
今回は馬体診断講座2回目『繋ぎの角度と柔軟性』についてです!

ユーマ
ユーマ

繋ぎの診断方法のほかに、繋ぎの角度や柔軟性が馬の適性にどのように影響しているかも説明していきます!

おウマ
おウマ

POG指名や一口馬主の出資馬で悩んでるひとは要チェックだよ!

『馬場適性』を知る

『馬体診断講座』2回目の今回は、『繋ぎの角度と柔軟性』の診断方法と、診断結果がどのようなメカニズムで適正に影響するかを解説していきます。


この記事を読めば、あなたのPOG指名馬や一口馬主での出資馬が、将来的にどのような路線で活躍するのかを探ることができます。


馬体写真と歩様動画があれば、誰でも簡単に実践できる診断方法なので、是非最後までご覧ください。

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『馬場適性』を知る方法

馬体診断で馬場適性を探る主な方法は『繋ぎの角度と柔軟性』にあります。
 

ここを見れば『馬場適性』が分かる!
 
  • 『繋ぎの角度』
     
     繋ぎの角度が立っていればダート適性、繋ぎの角度が寝ていれば芝適性を示します
     
     
     
  • 『繋ぎの柔軟性』
     
     繋ぎが硬い馬はダート適性、柔らかい馬は芝適性を示します
     


繋ぎの角度と柔軟性から、どのようにして馬場適性を診断していくのか、また、なぜ馬場適性に影響するのかを解説していきます。

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『繋ぎの角度』が生み出すグリップ力

繋ぎの角度は順調な競走馬生活を送る為には重要なファクターです。


球節から蹄へ引いた線が地面とつくる角度が小さいほど『繋ぎが寝ている』といい、逆にその角度が大きいと『繋ぎが立っている』といいます。


繋ぎが寝ていると着地時に球節が沈み込んでクッションとなる為、柔らかみのある歩様に見え、立っているとコツコツと跳ねるようなリズミカルな歩様に見えます。



 

『繋ぎの角度』が示す馬場適性

『寝ている繋ぎ』と『立っている繋ぎ』、どちらが悪いというわけではないのですが、一般的に寝ている馬は芝向き、立っている馬はダート向きと言われています。


なぜそう言われるかというと、繋ぎが寝ていると、球節が沈み込むことで着地時の衝撃を吸収し、滑りやすい芝の上でもしっかりとグリップさせることができるからです。


逆に、繋ぎが立っていると、ダートコースで砂との接地面積が減るので、肢抜きが良くなり、効率の良い推進を得ることができます。




また、過度に繋ぎが寝ている馬は球節が沈み込む分、球節の後ろを通る屈腱や種子骨に負担が掛かりやすく、屈腱炎などのリスクが高くなります。


逆に繋ぎが立ちすぎている馬は球節でショックを吸収できないため、着地時の衝撃を上手く緩衝できず、球節周りの靱帯へのダメージや、手根骨や指骨などの骨折リスクが高くなります。


理想的な角度は45~55度とされていて、どちらも極端なものは避けたほうが良いでしょう。

 
 



 

馬体写真における『繋ぎの角度』の見方

下記の画像は、実際の募集写真を用いて繋ぎの角度を視覚化したものです。
 

【馬体診断講座/馬場適性編】正しい繋ぎの角度の馬(イスラボニータ)
イスラボニータ

イスラボニータは理想的な繋ぎの角度で、足元への負担については目に見えるリスクはなく、馬体の傷みなく2歳戦から息長く活躍できた要因の一つでしょう。
 

 
  

【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが立っている馬(アエロリット)
アエロリット

アエロリットは立った繋ぎですが、牝馬特有の柔らかみのある筋肉と間隔をしっかり取るローテで、故障なく上手くカバーできたのだと思います。


 


 
 

【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが寝ている馬(シルバーステート)
シルバーステート

シルバーステートの繋ぎは寝ていますが、そこまで程度は悪くありません。
しかし、その競走能力を存分に発揮することなく屈腱炎でターフを去りました。


シルバーステートの場合、繋ぎが長いので余計に球節が沈んで屈腱に負担が掛かったものと思われます。





 

各馬の『繋ぎの角度』の比較

繋ぎの角度は馬の適性をはかる上で重要な馬体診断項目になりますが、立たせ方によっては実際よりも立って見えたり、寝ているように見えたりします。


その場合は、次のように補助線を引いてみると、立ち方に惑わされず繋ぎの角度が見抜くことができます。
 

①球節の中心を開始点として、管側と繋ぎ側に真っ直ぐ線を引く


②以下の画像のように管側の線を地面に対し垂直になるように調整する

【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎの角度の比較
ユーマ
ユーマ

これは各馬の繋ぎの角度を比較したものだよ

おウマ
おウマ

こうして比較すると、アエロリットの繋ぎの立ち具合がよくわかるね

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『繋ぎの柔軟性』が馬場適正に与える影響

歩様に柔らかみのある馬とそうでない馬の違いは『繋ぎの柔軟性』にあります。

 
馬体写真の『繋ぎの角度』と似ていますが、募集動画の動きの中で見極める必要があるため、やや難易度が高いです。
 


 

『繋ぎの柔軟性』が示す馬場適性

『繋ぎが柔らかい・硬い』というのは、どちらが良い悪いという話ではありません。


繋ぎが柔らかい馬は芝向き、硬い馬はダート向きと言えます。


理由は繋ぎの角度の時と同じく、繋ぎが柔らかい馬は球節が沈み込んで衝撃を吸収するため、芝でのグリップが効きやすく、繋ぎが硬い馬はダートとの接地面積が減るので効率の良い推進を得ることができるからです。




基本的に、繋ぎが長い馬は球節が沈み込むので柔らかく、反対に繋ぎが短い馬は球節のクッションがないので硬い歩様に見えますが、たまに繋ぎの長さと相反する歩様を見せる馬がいます。



その場合、繋ぎが短いのに球節が沈んで柔らかい歩様をしている馬は加点対象です。


関節の可動域が広く柔軟な走りに期待ができます。


対して繋ぎが長いのに球節が沈まずに硬い歩様をしている馬は、肩や股関節など節々に硬さが見られる傾向にあるので割り引いて考えたほうが良いでしょう。

『繋ぎの柔軟性』の見方

歩様動画から『繋ぎの柔軟性』を見抜くには、以下の方法がおすすめです。
 

① 『前肢が着地した瞬間』と『十分に体重が乗った瞬間』をスクリーンショットします。


②  球節を中心として、管と蹄方向にそれぞれ線を引きます。


③ 両者を見比べ、角度の変わり具合を確認します。

 

繋ぎが柔らかい馬(着地時に球節が沈む)
【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが柔らかい馬(着地前)
【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが柔らかい馬(着地後)


 

繋ぎが硬い馬(着地時に球節が沈まない)
【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが硬い馬(着地前)
【馬体診断講座/馬場適性編】繋ぎが硬い馬(着地後)
おウマ
おウマ

こうしてみると、馬ごとに結構違いがあるんだね

ユーマ
ユーマ

最初の内はスロー再生にしないと、なかなか正確にはわからないと思うけど、何頭も見ていたらその内目が慣れてくるよ!

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まとめ

この記事では『繋ぎの角度』と『繋ぎの柔軟性』について解説しました。

 
記事の内容を簡単にまとめると
 

 繋ぎが寝ていて柔らかい馬=芝向き 


 繋ぎが立っていて硬い馬=ダート向き 

  

繋ぎの角度や柔軟性を見ることで、
 
『芝馬』か『ダート馬』かの馬場適性を診断することができます。
 
 




最後に、『馬体診断講座』で解説している馬の見方の記事一覧を載せています。


すべて読破いただければ、簡単に馬体診断ができるようになるようにカリキュラムを組んでいますので、是非ひとつひとつ読んでいただければ幸いです。


すでに独自の馬体診断理論をお持ちの方は、気になる項目があればクリックすることで対象の記事を読むことができますので、新しい知識や視点をピックアップしていってください。

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