
こんにちは、おウマです。
今回は馬体診断講座8回目『避けるべき馬体の特徴』についてです!

馬体写真や歩様動画から『馬の能力』に大きく関わるポイントを探る方法を紹介します。

POG指名や一口馬主の出資馬で悩んでるひとは要チェックだよ!
これだけは避けよう!『忌避すべき特徴』
『馬体診断講座』8回目の今回は、馬体の特徴うち『これだけは絶対に避けた方が良い』という、『馬の能力や故障にかかわる危険な特徴』を紹介します。
また、その危険な特徴がどのように馬体に影響を及ぼすのかについてのメカニズムも解説していきます。
この記事を読めば、あなたのPOG指名馬や一口馬主での出資馬が、活躍できるか否かを探ることができます。
馬体写真と歩様動画があれば、誰でも簡単に実践できる診断方法なので、是非最後までご覧ください。
避けた方が良い馬体の特徴4つ
『馬の能力や故障にかかわる危険な特徴は』4つあります。
それぞれの項目について、なぜ競走能力に影響するのかを解説していきます。
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トモの肢勢【 広踏肢勢にご注意 】
競走能力に影響を及ぼす馬体診断の項目のひとつとして、歩行時の肢勢が挙げられます。
『トモの肢勢』の診断方法
募集動画から『トモの肢勢』を見抜く方法は、以下の通りです。
① 後ろを向いた歩様動画で、左右どちらかのトモを踏み込んだ瞬間をキャプチャーします
② 尾の付け根から左右に少し開いた点(※)から、地面に対して垂直に線を引きます(※ちょうどお尻が一番出っ張った所。ほぼ首の幅に等しい。)
③ ②で引いた線に対し、歩行時に踏み込んだ肢の蹄を置く位置を確認します
④ 線より内側に蹄を置いたら『狭踏(せまぶみ/きょうとう)肢勢』です
⑤ 線より外側に蹄を置いたら『広踏(ひろぶみ/こうとう)肢勢』です



『狭踏肢勢』の馬が抱えるリスク
狭踏肢勢は内弧・外弧歩様と同じく、交突のリスクを抱えます。
また、蹄の一部分に体重が集中するため、蹄が変形していく可能性があります。
しかし、競走能力に直接的な影響はないので、極度の狭踏でない限りは、他の部位の評価を優先して良い肢勢です。
『広踏肢勢』の馬が抱えるリスク
広踏肢勢は筋肉質で厚みのある立派な馬体の馬によく見られる特徴です。
自身の重心から左右に離れた位置に肢をつくため、トモからの推進が左右に逃げてしまい、競走においては大きなエネルギーロスとなってしまいます。
かつては『広踏=競走馬失格』と言われるほどに忌み嫌われた特徴でしたが、装蹄技術の進歩などにより、ある程度は矯正できるようになって、競走馬としてデビューできている馬もいます。
しかし、腰回りに疲労も溜まりやすく、よほど他に決め手がない限りは避けた方が良いと言えます。

人間にも内股の人とかガニ股の人とかいるよね

そうだね!
人間の内股やガニ股と因果関係は同じだね
ちょっと補足しておくね
狭踏・広踏肢勢も、内股・ガニ股も、ある原因に基づく結果が表面に出たものです。
人間で言えば、つま先が内を向いていたり、X脚の人は内股になりやすく、逆につま先が外を向いていたり、O脚の人はガニ股になる傾向があります。
同様に馬でも蹄先(蹄の先端)が内を向いていれば狭踏肢勢、外を向いていれば広踏肢勢になりやすいと言われています。
蹄先が内を向いていることを『内向肢勢』、外を向いていることを『外向肢勢』と呼びます。
また、内向肢勢は内弧歩様、外向肢勢は外弧歩様の原因にもなります。
『弓脚』・『背』・『骨盤』から見抜く馬の能力
それぞれ、過去の馬体診断講座で軽く触れていますが、『馬の能力へのデメリット』にフォーカスして改めて見ていきましょう。
『弓脚』によるデメリット
馬体診断講座第7回の『故障リスクを見抜く方法』で言及していますが、弓脚という特徴は、能力以前に競走馬になることすら危ぶまれる、大変リスクの大きいものです。
理由は以下の通りです。
【弓脚の馬】
前肢が逆”く”の字に折れ曲がっている
↓
着地時に腕節が後ろに移動+球節が沈み込む
↓
球節の裏を通る腱(屈腱)が強く引っ張られる
↓
屈腱が付着している種子骨も引っ張られる
↓
種子骨の骨折や屈腱炎が発症する
能力に影響する『背』の特徴
馬体診断講座第5回の『下半身から馬の能力を見抜く方法』で言及していますが、背のラインが長い馬はトモからの推進を上手く上半身へ伝えることができません。
結果、スピードに乗ることができないか、効率が悪い推進のせいでバテてしまうことになります。
なぜ推進を上手く伝えることができないのか、その理由は以下の通りです。
【背のラインが長い馬】
トモからの推進は背骨を通って上半身に伝播する
↓
背が長いとたわんだり回転したりすることでエネルギーのロスが生じる
↓
競走能力が乏しくなる
能力に影響する『骨盤』の特徴
こちらも、馬体診断講座第5回の『下半身から馬の能力を見抜く方法』で言及していますが、骨盤が左右にブレる歩様の馬はトモからの推進を上手く上半身へ伝えることができません。
長い背の馬と同様に、スピードに乗ることができないか、効率が悪い推進のせいでバテてしまうことになります。
なぜ推進を上手く伝えることができないのか、その理由は以下の通りです。
【骨盤が左右にブレる馬】
骨盤がブレることで、その回転運動にエネルギーが消費される
↓
骨盤と連動して背骨もたわんだり回転したりする
↓
ますますエネルギーロスが生じる
↓
競走能力が乏しくなる
まとめ
この記事では、走る馬に出会いたいなら『絶対に避けるべき』馬体の特徴について解説しました。
記事の内容を簡単にまとめると
『広踏肢勢』= エネルギーロスが大きい
『弓脚』= そもそもデビューすらままならない
『背が長い馬』= エネルギーロスが大きい
『骨盤がブレる馬』= エネルギーロスが大きい
この4項目を見ることで、馬体の特徴から『馬の能力』を診断することができます。
もし、気になる馬がどれか一つでも当てはまる特徴を持っているなら『高確率で走らない』ので、踏みとどまることをオススメします。
最後に、『馬体診断講座』で解説している馬の見方の記事一覧を載せています。
すべて読破いただければ、簡単に馬体診断ができるようになるようにカリキュラムを組んでいますので、是非ひとつひとつ読んでいただければ幸いです。
すでに独自の馬体診断理論をお持ちの方は、気になる項目があればクリックすることで対象の記事を読むことができますので、新しい知識や視点をピックアップしていってください。