
今回は少し趣向を変えて、クイズ形式で馬の豆知識を紹介していきます!

やったー!
クイズ大好き!

全問正解を目指しつつ、馬のことをもっと深く知ってもらえると嬉しいです!

それではいってみよう!
馬の目について

大きく美しい、『馬の目』に関するクイズ3問です!
Q1. 馬の視力は人間よりも良い。〇か✕か
A.×
馬の視力は人間の約0.6倍と言われています。
馬の方が目が悪いのは意外ですよね。
外敵から素早く逃げるために、遠くに何かがあることを察知できるだけの視力があれば良かったからでしょうか。
特に近くのものを上手く判別ができないようで、ゴムマットや水たまりなどを地面に空いた穴と勘違いして飛び越えようとする馬をよく見かけます。

ちなみに眼球の大きさは直径約4.5センチもあるそうです

スカッシュのボールくらいの大きさだね

スカッシュは例えに使えるほど市民権得てないよ

なんて辛辣な…!
Q2. 馬にも人間と同じように色が見えている。〇か✕か
A.×
馬には判別できない色があります。
馬にとっては黄色が最もよく見える色で、緑色・青色も判別できますが、赤色が判別できないと言われています。
人間よりも弱い視力と判別できる色が少ない代わりに、暗闇でも目が効き、夜の間も不自由なく暮らすことができます。

黄色って自然界だと危険色っていうもんね

そうだね!
だから、危ない所には黒色と黄色のボーダーを使って、もし放馬しても近づかないようにしてるよ
Q3. 馬の視野は350度である。〇か✕か
A.〇
馬の視野はとても広く、自分の体で隠れる真後ろ以外の350度を見ることができます。
少し頭を動かせば360度をカバーできる優れた視野の持ち主です。
これも、外敵を素早く察知して逃げるために進化した機能の名残ですね。
また、単眼視と言って左右の目で別々のものを認識することができると言われています。
レース中の写真を撮るのが好きな人は、ゴール前で馬がカメラ目線に見える経験が何度もあると思います。
あれは気のせいではなく、観客席側の目で実際にカメラを見て、反対の目で前方を見て走っているのです。

たまたまだと思った??しっかり見てるよ?

なんでちょっと偉そうなの笑
馬の内臓について

意外と知らない!? 『馬の内臓』に関するクイズ3問です!
Q4. 馬の内臓はしっかりと固定されていて動かない。〇か✕か
A.×
馬の内臓は、膜に包まれた状態で背骨からぶら下がっていて、一部を除いて固定がされていません。
しかも、人間は二本足で立つので、骨盤というしっかりとした支えがありますが、馬をはじめとする四足歩行の動物は、細く隙間だらけの肋骨以外に骨格による支えとなるものがありません。
同じ草食動物でも、牛は4つの胃を持って反芻することで消化をしますが、サラブレッドの胃はひとつです。
サラブレッドの胃は、あの体の大きさに対して、バスケットボールくらいの大きさしかありません。
牛が胃の中で消化するのに対し、馬は腸で消化します。
ならば、牛よりも腸が発達しているかと思いきや、『馬:約30メートル』『牛:約50メートル』と、メインの消化器官でもスペック負けしています。
また、牛は胃という消化器官の前半で消化が進行しますが、馬は腸(特に大腸)まで消化されずに食べ物が運ばれてきます。
腸は長く曲がりくねって、胃より圧倒的に複雑な構造ですから、消化できていない食べ物は詰まりやすいです。
馬が疝痛(腹痛)を起こしやすいのは、これに起因します。
さらに、背骨からぶら下がって不安定な上に、腸膜が不完全なので腸捻転のリスクがとても高い動物です。
毎年たくさんの馬が腸のトラブルで命を落としていますが、早期発見が必須なことと、開腹手術に耐える体力も必要で、未だに決定的な解決策は見つかっていません。

内臓があぶないぞう

しょーもな!!
Q5. 馬の心臓の大きさは人間の約20倍である。〇か✕か
A.〇
馬の心臓は人間の心臓の約20倍の大きさです。
一般的に、身体の大きさに比例して心臓も大きくなっていくことは、ネズミと象の心臓の大きさを考えれば容易に想像できることです。
心臓の重さに関する研究の結果によると、心臓の重さと体重には、
心臓の重さ=体重×約0.0055
(体重の約0.55パーセント)
という関係式があったということです。
人間の心臓の重さは200~300グラムと言われていますので、成人の平均体重を58キログラムとすると、約0.4~0.5パーセントの重さで、上の式にかなり近いことが分かります。
体重が約120トンもあるシロナガスクジラの心臓は、約600キログラムと言われており、軽自動車一台分の重さになるそうです。
想像もつかない大きさですが、これも、体重に対する心臓が占める割合を測ると0.5パーセントで、人間の比率と大きな差はありません。
それでは馬の心臓はどうでしょうか。
馬(サラブレッド)の体重は約400~500キログラムなので、式の通り0.55パーセントだと、心臓の重さは2.2~2.8キログラムになるはずですね。
しかし、実際は約5キログラムもあり、体重に対する心臓が占める割合は1パーセントで、一般的な数字の約2倍の比率です。
一流の結果を残した競走馬の中には、体重の1.5パーセント、約7キログラムの心臓を持っていることもあるようです。
速く速く走れるように品種改良をされてきた結果と言えますね。
種類 | 体重(キログラム) | 心臓重量(グラム) | 心臓重量比(パーセント) |
---|---|---|---|
人 | 58 | 250 | 0.51 |
シロナガスクジラ | 120,000 | 600,000 | 0.5 |
馬(サラブレッド) | 450 | 5,000 | 1.1 |
Q6. 馬も胃潰瘍を発症する。〇か✕か
A.〇
日本の競走馬の内、約70パーセントの馬が胃潰瘍を発症していると言われています。
その主な原因はトレーニングや長距離の輸送によるストレスによるものです。
また、本来は牧草などの青草を食べて生きる草食動物であるにもかかわらず、競馬に耐えうる体力やエネルギーを蓄えるために、穀物中心のエサを食べていることも、消化器官に悪影響を及ぼしていると言われています。
エサについては『競走馬』という側面上、仕方のないことではあります。
しかし、トレーニングや輸送によるストレスは、人の手で改善ができる要素です。
日本では、ヨーロッパ諸国のように、ホースファーストの精神がまだまだ醸成しきっていません。
週末の競馬やパドックを見て、競走馬は『ピリピリしていて危険』という印象をもつ方も多いかと思いますが、ヨーロッパに行くと驚くほど落ち着いている馬が多いです。
最近では、SNSの発展やウマ娘などの影響で、世間の目が少しずつ馬に対しても向くようになってきました。
今まで馬業界では当たり前だけども異常だったことが、世間の感覚に触れて、時には目に晒されて少しずつ改善されていくことを願っています。
馬の鼻について

もちもちして、永遠に触っていられる『馬の鼻』に関するクイズ4問です!
Q7. 馬の嗅覚は人間の約1,000倍である。〇か✕か
A.〇
馬の嗅覚は人間の約1,000倍と言われています。
犬は人間の100万倍と言われていますので、特別に優れているわけではありませんが、匂いに敏感な動物であることに変わりはありません。
近くのものが見えづらいため、姿形は認識できていなくても、いつも世話をしてくれる人間は匂いでしっかりと識別する事ができます。
乳や青草などの甘い香りを好み、刺激臭や、柑橘系などの酸っぱい香りは苦手とされています。

生まれた仔馬に馬服を着せる時は、しっかりその仔の匂いを付けてから着せないといけないんだよ

母馬からしたら、急に匂いが変わったら「誰!?」って感じるだろうね

それが原因で育児放棄に繋がることもあるからね、気を付けないと!
Q8. 馬は鼻呼吸しかできない。〇か✕か
A.〇
馬は鼻呼吸しかできません。
馬が、というより自然界の動物の多くが鼻呼吸しかできず、むしろ、口呼吸ができる人間はかなり珍しい種族です。
走ることが使命の競走馬にとっては不利な特徴に感じますが、実はとても効率的なシステムになっています。
人間は筋肉の力で横隔膜を動かすことで、肺を膨張収縮させて呼吸をします。
馬も平常時は人間と同じですが、走る時には呼吸法が変わります。
走る馬の体内では、下記の①~③のような形で内臓のピストン運動が発生しています。
①馬が地面を蹴って前に進むと、固定されていない内臓はその場に留まろうと慣性が働いて、体内で後方に移動する。
②着地をすると減速し、今度は慣性が進行方向に働き、内臓は身体の前方へ移動する。
③再び地面を蹴って推進力を得ると、内臓も再び後方へ移動する。
①によって内臓が後ろに移動するので、肺も後方に引っ張られ、広がりながら空気を吸入します。
そして②によって前方に移動した内臓の力で、肺は圧縮されて空気が吐き出され、③によって再び空気を吸入します。
馬は、この体内のピストン運動により、肺の膨張収縮を行って呼吸をしているのです。
したがって、空気の通り道は一つである方が効率が良く、口呼吸ができないことが不利に働くことはありません。

おウマの身体のなかでそんなことが起こっていたなんて…!

これは僕も、今回調べて初めて知ったよ!
Q9. 馬は鼻呼吸なので鼻血が出ない構造になっている。〇か✕か
A.×
馬の鼻血は『鼻出血』と呼ばれ、出血の原因によって大きく3つに分けられます。
① 鼻をぶつけたことによる『外傷性の鼻出血』
② 肺胞の毛細血管が破れ、呼吸によって鼻から出血する『運動誘発性の鼻(肺)出血』
③ 真菌の感染によって、鼻腔内の組織が破壊されて発生する『真菌性の鼻出血』
詳細はこちらの記事でまとめていますので、興味のある方は読んでみてください。
Q10. フレーメン反応は嫌なニオイを避けるための行動である。〇か✕か

A.×
フレーメン反応は、よりそのニオイを嗅ごうとするときに見せるしぐさです。
反応中のその独特な表情から、よく「馬が笑っている」と言われるフレーメン反応ですが、その正体は、馬の上唇の裏に隠れている『ヤコブソン器官』と呼ばれる嗅覚器官を突き出して、より多くのニオイ成分を取り入れようとする行動です。
初めて嗅いだニオイや良いニオイを嗅いだ時に見せたり、異性のフェロモンを感知した時に見せると言われており、タバコを吸ったあとの手を近づけたときや、香水をつけた人が近くを通ったりすると、フレーメンしている印象があります。
放牧地で牝馬のボロを嗅いで、高々とフレーメンをしている牡馬もよく見ますね。

フレーメンしたあとはめっちゃ鼻水出るよ

「シーッ」て音たてながら空気吸ってるよね

お疲れ様でした!

何問正解できたかな??

全問正解できた方には『ウマスター』の称号を差し上げます!

ウマスター ダサー

またクイズ作るので遊んでくださいね!

他の記事も読んでくれるとうれしいです!